ポルフィリン症の種類(詳細)
| 異型(多様性)ポルフィリン症 (Variegate Porphyria) |
| プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)の欠損の結果、血液中および糞便中にプロトポルフィリンとコプロポルフィリン(CP)が増加する。 他の急性ポルフィリン症と同様、思春期以降の女性に多い。 |
| ◆分類… | 急性・肝性 |
| ◆症状… | AIPと同様の内科的・神経内科的諸症状をみるとともに晩発性皮膚ポルフィリン症に類似した皮膚症状も表れる。 肝障害を伴うことがあるが比較的軽いことが多い。 |
| ◆診断… | 尿・血液・糞便中のポルフィリンとその前駆体を定量することにより、ポルフィリン症の他の病型との鑑別ができる。 尿中ALA、PBG が寛解期には正常化する点がAIPと異なる。 HCPとは糞便中に増加するポルフィリンの種類が異なることで鑑別できる。 |
| ◆治療… | 急性症状についてはAIPに準じ、皮膚症状についてはCEP、PCTなど皮膚型ポルフィリン症の治療に準じる。 禁忌の薬剤の使用を避けること! |
| 遺伝性コプロポルフィリン症 (Hereditary Coproporphyria) |
| まれな病型で、全世界で約200例程。常染色体優性の遺伝形式。 |
| ◆分類… | 肝性・急性 |
| ◆症状… | AIP類似の急性症状が主とするが、それよりは軽症。皮膚症状を伴うことがあり、VPとも類似している。 |
| ◆診断… | 尿中のALA、PBGの増加。AIPと違い、寛解期には正常化する。屎尿中のCPが著明に増加することからVPと識別できる。早期には急性腹症・Guillain-barre症候群と誤診されやすいので注意する。 |
| ◆治療… | 種々の薬剤、その他が誘発要因・悪化要因となるので注意が必要。 |
| 晩発性皮膚ポルフィリン症 (Porphyria Cutanea Tarda) |
| 肝のウロポルフィリノーゲンデカルポキシラーゼ(UROD)活性の減少に基づくポルフィリン代謝異常。 常染色体優性遺伝(fPCT)と非遺伝性(後天性、sPCT)が知られ、日本では殆どが後者である。ポルフィリン症の中で最も頻度が高い。 |
| ◆分類… | 皮膚型・肝性 |
| ◆症状… | 皮膚症状と肝障害が特徴的。神経症状はない。 皮膚光線過敏症状とともに、皮膚の脆弱性(水疱形成・びらん・瘢痕化・色素沈着など)をきたす。 肝障害の程度は通常軽度から肝硬変にまで至る。細胞内鉄・脂肪及びポルフィリン様の針状結晶の沈着・肝細胞壊死・線維化がみられる。 HCVなどの合併が多い。今のところ原因不明。 |
| ◆診断… | 皮膚型の中では最も頻度が高く、上記症状が診断時の皮疹となる。 真皮上層血管周囲のPAS陽性物質の沈着・表皮真皮境界部の水疱形成・免疫グロブリン補体の沈着。尿は暗赤色であることが多い。 尿中のUP・ヘプタカルボン酸ポルフィリンが増量。 糞便中iso-CPを検出する。赤血球内ポルフィリンは正常。 |
| ◆治療… | アルコール(飲酒)やエストロゲン(避妊薬や更年期に伴うホルモン療法など)などの誘因がはっきりしている場合はこれらを直ちに止める。 尿中ポルフィリンが著しく高値の場合は瀉血療法を行う。 その他、コレスチラミン・シメチジン・ヘマチン・ブドウ糖・デスフェリオキサミンなど。 HCV合併の場合はインターフェロンなどの投与が有効とする症例が報告されている。 皮膚症状には、遮光やビタミンE(ベータカロチン)内服により改善されるという症例報告がある。 |
| 肝骨髄性ポルフィリン症 (Hepato-erythropoietic Porphyria) |
| 常染色体劣性遺伝。生後〜幼児期に発症。極めてまれな疾患。 |
| ◆分類… | 皮膚型・肝性 |
| ◆症状… | CEPに似た重篤な光線過敏症状が主症状。 幼児期に重篤な皮膚の脆弱性・水疱・瘢痕形成・多毛症。また、赤色歯牙・顔面及び手指の断節・溶血性貧血・脾種・全身倦怠感・食欲不振・肝腫大・神経症状を伴う。 |
| ◆診断… | ウロ(UP)〜コプロポルフィリン(CP)及び赤血球遊離プロトポルフィリン(PP)が大量生産され、生後間もなく皮膚症状を発症する。 尿中及び前駆体パターンはPCTと一致し、赤血球内のポルフィリンパターンはEPPと一致する。 糞便中、ポルフィリン値は正常範囲内であることが多いが、PCTと同様iso-CPが増量する。赤血球中のUROD活性は正常の10%以下。 |
| ◆治療… | CEP・PCTと同様、遮光及び皮膚の外傷に気をつける。 肝硬変を起こしやすいので肝臓のフォローが重要。 |