ポルフィリン症の種類(詳細)



先天性赤芽球性ポルフィリン症
(Congenital Erythropoietic Porphyria)
ウロポルフィリノゲン合成酵素の活性低下のため、赤血球中に不必要なI型ポルフィリンが体内に過剰に蓄積および尿・糞便中に排泄される。常染色体劣勢遺伝。

◆分類… 皮膚型
◆症状… 生後間もなくから高度の光線過敏症が発症し、露出部に紅斑・水泡などが反復するうちに、色素沈着・多毛・潰瘍・瘢痕・拘縮などの高度な変化が合併する。
他に爪の変形、鼻・耳・指の欠損、脾腫、溶血性貧血などがある。
◆診断… よく、オムツが赤くなることで気が付く。歯にポルフィリンが沈着するため歯が弱くなる。赤色歯牙が起こり、患児の歯牙は暗所におけるWood灯照下で赤色蛍光を発する。ポルフィリン定性試験は尿・糞便・赤血球などの検体すべてにつき陽性である。
◆治療… 脾摘が有効といわれているが、一般によい治療法はない。
皮疹が反復発症し、高度の変化を生じるのを予防することからも、遮光が必要である。
しかし、遮光により骨が弱くなるので注意する。

骨髄性プロトポルフィリン症
(Erythropoietic Protoporphyria)
ポルフィリン代謝の最後の酵素であるヘム合成酵素の活性低下のため、赤血球中に過剰のプロトポルフィリンが蓄積される。

◆分類… 皮膚型
◆症状… 優性遺伝形式をとって幼児より光線過敏症が発症する事が多い。
一般には、日光をあびた後、焼けつくような痛みとともに、紅斑、水泡、浮腫、さらに紫斑などが露出部に発症する。これら急性期皮疹が出没を繰り返すうちに瘢痕、色素沈着、多毛、肥厚などの変化が加わってくる。
プロトポルフィリンが肝臓に沈着して肝障害さらに胆石が合併しやすい。肝障害が高度となり、致死的肝硬変となった若年期死亡例が少数ながら報告されているので、ポルフィリン代謝の高度な障害が指摘された症例においては、以後の継続的な経過観察が大切である。
◆診断… 尿中陰性、赤血球中陽性というポルフィリン定性試験および蛍光赤血球の確認が診断の決め手となる。
蛍光顕微鏡を用いた長波長紫外線照射下に患児の赤血球を鏡検すると、赤色蛍光を発することが確認される。
患児赤血球を一定時間日光にさらし、翌日生じた溶血を健常者と比較検討する光溶血現象が陽性となる確認も実地上有用な診断法である。
◆治療… 皮膚症状の改善・予防に日常生活上での遮光に特に気をつける。
諸外国では、ベータ・カロチンの内服療法が一般化しているが、日本では、薬品として市販されていない。
また、コレスチラミン内服などの新治療の応用が報告されている。

急性間歇性ポルフィリン症
(Acute Intermittent Porphyria)
ポルフィリンの前駆物質であるδ−アミノレブリン酸とポルホビリノゲンが過剰に生産され、尿中に排泄されるが、各種ポルフィリン体の過剰蓄積はないので、皮膚光線過敏症はない。常染色体優性遺伝。

◆分類… 急性型
◆症状… 急性期には腹痛・嘔吐などの消化器症状が多く、ついで四肢のしびれ・脱力など神経症状が伴うことが多い。
急性腹部症・イレウス・虫垂炎・ヒステリーなどとして誤診されることが多い。
◆診断… 発症および寛解期の両者において、常時尿中ポルホビリノゲンの過剰排泄が指摘されれば決定的である。
上記症状を訴える症例に遭遇した場合、本症を否定しておく意味からも尿中ポルホビリノゲンの有無を検索しておくことが望ましいといわれる。
◆治療… 一般的にはブドウ糖の点滴静注が頻用されており、クロルプロマジン、AMP、ATP、ビタミン剤など、各種の薬剤が使用されている。
バルビタールや鎮痛解熱剤など、禁忌とされる薬剤を不用意に投与しないことが大切である。(薬剤情報参照)

ALAD欠損性ポルフィリン症
(δ-aminolevulinate dehydratase deficiency porphyria)
ADP:ヘム合成の第2番目の酵素のALAD活性が著名に低下しているための発症する常染色体劣性遺伝病で、肝臓型ポルフィリン症、急性ポルフィリン症に分類され、AIPと同じく急性症状のみで、皮膚症状は見られない。わが国での報告例はまだない。

◆症状… AIPと類似の症状。
◆診断… 尿中ALAの増量および血液中のADAD活性の著明な低下。鉛中毒と似ている。
◆治療… 急性ポルフィリン症と基本的に同じ。

《さくら友の会》