ポルフィリン症《porphyria》の概要


 人間の赤血球にはヘモグロビンというものがあり、呼吸によって体内に取り込んだ酸素を、人体の各器官や組織に運ぶ役割をしています。ちなみに血が赤く見えるというのは、このヘモグロビンに赤い色素が入っているためです。

 さて、このヘモグロビンというのは、実はヘムという蛋白と、グロビンという蛋白が結合してできたものです。ヘムとグロビンは、全く別の段階を経て作られるのですが、実はポルフィリン症というのは、このヘムという色素を作る過程の異常によって起こる病気なのです。

ヘムは、まずグリシンサクシニルCoAという物質が結合(重合)し、そこからいろいろな酵素(合成酵素)が関与して、最終的にはヘムが作られます。
(詳しくは 【 図 】を参照)

 そしてこの合成過程における物質をポルフィリン、あるいはポルフィリン体といいます。

 本来このポルフィリンは、速やかに尿あるいは便の中に排泄されて、体内にはほとんど残らないのですが、先程の合成酵素に何らかの異常があると、そこから先の反応が進まなくなり、その結果本来は蓄積するはずのないポルフィリンが体の中に蓄積(沈着)してしまうことになります。

 そして、ポルフィリンは、光に当たると毒性を持ち(光毒性)、沈着した部分を破壊してしまう働きがあります。つまり、もしポルフィリンが皮膚に沈着すると皮膚に当たった日光によって沈着した部分、つまり皮膚を破壊、つまり潰瘍を起こしたりすることになってしまうのです。

ポルフィリン症の種類

ポルフィリン症には、症状でみると大きくわけて二つのタイプがあります。

  • 皮膚型ポルフィリン症
    主に皮膚に障害を起こすタイプ  

  • 急性ポルフィリン症
    神経症状(腹痛や便秘などの腹部症状や、手足のしびれや麻痺といった症状)を起こすタイプ

 ポルフィリン代謝に関与する8種類の酵素のうち、一番最初の酵素を除いた他の種類のどれかが遺伝的に障害があると、各種の薬剤やストレス及び生理的なさまざまな変化によって、ポルフィリンの代謝異常が起こ る。そして、体内にポルフィリンおよびその前駆物質が蓄積され発症する病気である。

                     
 このときに、前駆物質が蓄積されると腹部症状を中心とした神経障害(臨床的に急性ポルフィリン症と言う)を 起こす。
 また光力学的作用を持つポルフィリンが蓄積すると、これが皮膚にも過剰に沈着するために、日光曝露部に光線過敏が起こる(皮膚型ポルフィリン症という) 。


 8病型が知られているが、現時点として、これらポルフィリン症の臨床症状発症のメカニズムについてはあまりよくわかっていないのが現状である。


●先天性赤芽球性ポルフィリン症
(Congenital Erythropoietic Porphyria)
詳細
●骨髄性プロトポルフィリン症
(Erythropoietic Protoporphyria)
●急性間歇性ポルフィリン症
(Acute Intermittent Porphyria)
●ALAD欠損性ポルフィリン症
(δ-aminolevulinate dehydratase deficiency porphyria)
●遺伝性コプロポルフィリン症
(Hereditary Porphyria)
詳細
●多様性ポルフィリン症
(Variegate Porphyria)
●晩発性皮膚ポルフィリン症
(Porphyria Cutanea Tarda)
●肝骨髄性ポルフィリン症
(Hepatoerythropoetic Porphyria)
 
 

《さくら友の会》