さくら友の会

記事一覧(4)

急性ポルフィリン症と薬について

「急性ポルフィリン症と薬」についての問合せ ポルフィリン代謝障害友の会(さくら友の会)の会員から抱水クロラールとジアゼパムについて、安全と禁忌と両方の記載があり混乱するという問合せがあった。 急性ポルフィリン症では腹部症状、神経症状、精神障害、循環器障害、内分泌代謝異常、皮膚症状、肝機能障害、赤色尿など多彩な症状が出現するが、発症・増悪に薬が大きく関与し、「安全と考えられている」、「危険と考えられている」、「禁忌と考えられている」、「恐らく安全である」などの分類がある。 多くの論文に「痙攣にはジアゼパム、抱水クロラールなどを投与する」という文章がある。私もこれまでに同様のことを報告してきた。抱水クロラールについては「安全と考えられる」、「危険と考えられる」、「禁忌」という記載がある。また、ジアゼパムについてもEuropean Porphyria Networkでは「安全と考えられる」とある。逆に、「誘発因子となる」との記載もある。これらは、個体差および症状の度合い、他の薬剤との関係などによって当該薬の効果が異なるものと思われ、治療の難しさを示している。同じような薬として日本でもよく用いられているシメチジンがある。欧米では「安全と考えられる」薬として利用されているが、「危険と考えられる」という報告もある。 以上から、例え「安全と考えられている」薬であっても、患者さんの状態によっては急転する場合もある。同じ患者さんでも2度目の使用は危険となる場合もあるので、薬の使用には十分注意する。一般に肝チトクロームp-450を誘発する薬および副作用として肝機能障害の記載がある薬は注意されたい。急性ポルフィリン症の薬剤情報発信の難しさを示している。 一方、急性ポルフィリン症にはバルビツール酸、カルバマゼピン、フェニトイン、リドカイン、クロラムフェニコールなどの絶対禁忌薬が知られている(メルクマニュアルhttp://merckmanual.jp/mmpej/sec12/ch155/ch155a.html )。参考文献:日本臨牀第53巻第6号、特集ポルフィリン症、日本臨牀社、1995。(近藤雅雄:平成28年12月18日掲載)